どうも、ミスターマーケット(@mrmarket_japan)です。
今回はミスターマーケットのポートフォリオの中でも大きなシェアを持つカルビーの意外なワイドモートについて紹介します。
そもそも、ワイドモートとは?
ワイドモート(wide moat)とは、直訳すれば、広い堀で、西洋のお城の周りの堀のことを意味します。この城の周りに張り巡らされた堀(moat)が広ければ広いほど、城を落とすことができないということです。
これを投資の世界にあてはめると、城が会社になり、モート(堀)は参入障壁(他社がビジネスするにあたって妨げになるもの)になります。どれだけ儲かるビジネスであろうと他社が参入(マネを)しやすいビジネスというのは価格競争に陥るため儲からないビジネスになります。
そして、現代ビジネスでいうワイドモートというのは、
- 事業規模であったり(他社が一からつくれない)、
- シェアが圧倒的であったり(圧倒的すぎる)、
- 高い(馴染みのある)ブランド力であったり、
- ネットワーク外部性が高い(みんなLineしているからLineする)
- 乗り換えコストが高い(エクセルわかるけど、ほかのソフトは一から勉強せなあかん!)
みたいなことを言います。
で、本題のカルビーの意外なワイドモートの話です。
少し前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
カルビーって日本企業には珍しくワイドモートな企業だと思いませんか?ミスターマーケットはカルビーには
- ポテトチップス市場での圧倒的なシェア
- 超馴染みのあるブランド
の2つのワイドモートがあると思っていました。
そして、製造コストの面でも規模の経済でおそらく他社が太刀打ちできないくらいのコスト競争力を持っているのだろうと思います(海外で大量製造されたら、負けますけど、輸送の際にかさばりますしね)。
なんで、投資して、そして5、6年たちましたが今も保有できています。
(日本企業なんで配当とかケチいですよ…わら)
で、先日、ミスターマーケットは仕事後に会社がとっている日経新聞を読んで帰宅するのが日課になっているので、馬車馬のように働いて疲れた脳みそに鞭打ちながら、帰るまでの時間つぶしに〜と日経をさささーとみていたんです。そしたら、カルビーの社長へのインタビュー記事があったんです。おぉ、投資先の企業じゃん。どれどれ。っと読みました。
ミスターマーケットにとって、その日経記事はコトイチの記事でした。なぜなら、今まで全く気づくことができなかったカルビーの新しい参入障壁が記されていたからです。
記事です↓

「日経新聞 2017/11/26頃」
カルビーは2017年にじゃがいも不足で商品が発売中止になったりました。その件で、記者がカルビー社長に「ジャガイモ関連の売上比率が高くリスクなのでは?」という質問をしています。社長は以下のように発言して、さらっと自社のワイドモートについても触れています。
…(生のジャガイモの調達を大規模に行うのは難しく)他社がポテトチップス生産に簡単には参入できない構図…
そう。カルビーはジャガイモを大規模に調達できるという参入障壁を持っていたんです。
これで、ミスターマーケットが保有している、かわいいかわいいカルビーの参入障壁が1つ増えたわけです。
- ポテトチップス市場での圧倒的なシェア
- 超馴染みのあるブランド
- ジャガイモ調達能力
ちなみに、ポテトチップスの原料になる生のじゃがいもを輸入することは国によって規制されています。この規制がカルビーの参入障壁を高くしているとも言えます(逆に規制緩和で参入障壁がなくなる)。

消費者としては気づきにくいワイドモート(参入障壁)がある
そして、ミスターマーケットは思ったわけです。ビジネスの世界は複雑で、消費者という視点からではなかなか気づくことができない参入障壁がたくさんあるのだろうなと。
ミスターマーケットは消費者の立場から投資対象をみることはすごく大切なことだと思っています。投資家がみている情報はすぐに市場に反映されてしまいますが、消費者からの視点は市場に十分に織り込まれていない可能性もあるからです。
そして、いつしか消費者からだけの視点で投資を決定すればいいと傲慢になっていたような気がします。今回の件は消費者という視点からは気づきにくいこともあると学べました。もっともっと情報を仕入れて、良い投資家になろうと思います。そして、ありふれた新聞(情報)の中にも隠れていることを再認識しました。
投資って日々の勉強ですね。勉強もコツコツ頑張ります。
ミスターマーケットの本日のノイズでした。