
キヤノン(7751)とは?
キヤノン(7751)はカメラ・事務機器の最大手で、一眼レフカメラは世界トップシェアを持つ日本を代表する企業の1つです。
リーマンショックには赤字にはならなかったものの、その後のペーパーレス化やスマートフォンによるカメラ市場の変化に巻き込まれ長期の踊り場にいます。
2016年には東芝から東芝メディカルシステムズを買収し、本格的に医療機器分野への進出も試みています。
詳しくみていきましょう。

キヤノンはオフィス・カメラ・産業機器で構成されています(2016年現在・メディカルは2017年から)。

消費者からみるとキヤノンはカメラメーカですが、主たるビジネスは複合機です。複合機はコピーをするたびにインクを消費することになる継続的ビジネスです。
リーマンショック時には多くの日本企業が赤字に陥るなでこの継続的ビジネスによってキヤノンが黒字を計上し続けることができました。

キヤノンといえば、カメラ。
一眼では世界シェアトップシェアを手にいれています。近年はスマートフォンのカメラ性能の向上によりコンパクトデジタルカメラは変革のときをむかえています。
先日の日経にはミラーレスの追い上げも記事になっていました。今後も注目のセクターです。

キヤノンの産業機器部門で注目を浴びているのが、有機ELの製造装置を製造しているキヤノントッキです。
同社の有機ELの発光体の膜を基板に蒸着させるための製造装置は真空状態で大量に処理することが可能で品質や生産性も良いらしく、有機ELを手がけるメーカにはなくてはならないものです。
また露光装置も半導体のスーパーサイクル(?)の影響で急速に売上・利益が拡大しています。期待しましょう。

メディカルシステムは東芝から買収したものです。CTや超音波診断装置など画像診断装置を主力としています。
CTは業界最高水準の高精細撮影を可能とした新製品の投入や、超音波診断装置では独自技術により造影剤なしで微細な血流の可視化を可能としたモデルを投入しています。
ミスターマーケットは医療機器は景気変動に強く、競争条件も限られることから既存プレイヤーには美味しい市場だと思っています。東芝メディカルシステムとキヤノンの技術をうまく融合させて成長してほしいと思います。

キヤノンの配当金
まずは今回の受け取った配当金です。

- 1株あたり配当金は80円。
- 2018/8現在株価3543円で配当利回りは4.52%。
- ちなみに、キヤノンの配当月は3・8月です。
次はミスターマーケットが過去に実際に受け取った配当金の推移です。

キヤノンは日本企業のなかでも株主還元姿勢が強い企業です。高い配当利回りを誇り、株価低迷のときには自社株買いにも実施してくれます。
直近の配当金がマイナスになっているのは、NISA口座から一般口座に移したため、12月期末の配当が多いためです。
キヤノンの株価
次は株価推移です。投資後のチャートになっています。

キヤノンは長期にわたって成長の踊り場にいます。
オフィスのペーパーレス化やスマートフォンによるカメラ市場の侵食などの市場変化に後手にまわっているカタチです。
キヤノンの投資損益
配当・株価を確認しました、次は投資の実際をみていきます。

上のグラフは投資損益の推移を表しています。
青色が配当受取累計、水色が実現損益、黄色が評価損益、赤色が最終損益となっています。
株価は一進一退というカタチですが、受取配当が累積していて、プラス25%程度です。配当の力を感じることができます(^^)
キヤノンの業績
業績もみていこうとおもいます。一気に売上高・営業利益・当期利益を確認します。



キヤノンは近年踊り場をむかえ、既存事業の伸びが見込めないことから、打開策としてキヤノンは新規事業に力を入れ、相次いで買収をしてきました。
商業印刷のオセ、ネットワークカメラの圧倒的な販売力を有するアクシス、ビデオ管理ソフトウエアでTOPシェアを有するマイルストーンシステムズ、そして、キヤノンメディカルシステム(旧東芝メディカルシステムズ)です。
2018年に入ってからも医療情報システムや生体情報収集機器などの開発・販売を手掛けるオランダのFysicon社を買収を発表し、今後も2020年までの3年間で3000億円程度を企業の合併・買収(M&A)に充てるとしています。
キヤノンの強みは御手洗会長が1990年代に推し進めたキャッシュフロー経営にあります。
見かけだけの利益ではなく、キャッシュフローを大切にすることで強固な財務体制を生み出したのです。
相次いで買収できる資金力もそのキヤノンの強みがあってこそです。
また、既存事業は市場のパイが縮小するなかで徹底した自動化により国内工場で低コスト生産を可能にし、「金のなる木」の収穫を行っているようにおもいます。
そして、「金のなる木」事業で生み出したキャシュを「スター」事業へまわしているのです。

複合機やカメラ事業の変化により脱落しはじめた同業の競合他社もありますが、キヤノンは苦戦しながらもなんとか新たな成長へ舵をきっているようです。今後も期待したいと思います。
ミスターマーケットのノイズでした。
資料「キヤノン株式会社 ホームページ」から
どうも、日米株投資家のミスターマーケットです。
今回は投資先の日本株キヤノン(7751)から配当金をいただきましたので紹介します。
さらに今までのキヤノンへの投資もまとめなおしてみたいと思います。