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ユニリーバ(UL)とは?
ユニリーバ(UL)は世界最大級の日用品・食品メーカです。
代表的なブランドはボディーソープのダヴ、シャンプーのラックス、紅茶のリプトン、ポンズ、AXEなどがあり、日本でも馴染みの深い海外企業の1つです。

2017年にユニリーバは米クラフトハインツからの買収提案を受けていました。
結局はユニリーバ側が拒否し、終焉しましたが、日用品や食品メーカが岐路にたっていること(そして、一つの対応として規模の拡大で乗り切ろうとしている)の象徴でした。
買収を拒否したユニリーバは事業の選択と集中、そして株主重視の姿勢を鮮明にしています。消費者の健康志向を理由にマーガリン事業などを売却する一方で、有機ハーブティを生産する英国パッカハーブスを買収を決めています。

↑うえの画像はユニリーバの強みを表しています(後述)
ユニリーバ(UL)の業績と株主還元
ざっと業績からみていきましょう。


- 2010年 サラ・リーのボディケア事業・欧州洗剤事業買収
- 2016年 D2Cダラーシェイブクラブ買収(10億ドル)
- 2017年 クライフハインツから買収提案
- 2018年 スプレッド事業売却(81億ドル)
- 2018年 GSK印栄養補助食品事業買収(38億ドル)
ユニリーバの2018年の利益が跳ね上がっていますが、マーガリンなどを展開するスプレッド部門を80億ドルで米投資会社KKRに売却した影響です。その資金で自社株買いを行なっています。


ユニリーバは17年2月にクラフトハインツからの買収提案を拒否するとともに、株主重視姿勢を鮮明にしています。その一環として事業売却と自社株買いを行なったわけです。
ちなみに、ユニリーバは事業売却だけでなく、健康や環境がキーワードとなるブランドへは積極的に買収も行っています。事業ポートフォリの入れ替えを行なって競争に勝ち抜こうと必死です。

ユニリーバ(UL)の株価
まずは、株価と投資金額から。
上が株価(ドル)と投資金額、下が株価(円換算)の為替です。ぼくがULに投資した2017年5月からのチャートになります。

ユニリーバ(UL)の配当金
次に配当金をみます。直近の配当金から。
- 1株あたり配当金は0.5159ドル
- 配当利回りはおよそ3.31%(株価60.21・税引前)
- 配当月は3月・6月・9月・12月
- ULには株主優待はありません。
次は配当受取金額の推移です。
青棒が配当受取金額(ドル)と、赤線が配当受取金(円換算)です。
ULの配当金はドルベースでも毎回増減があります。
それはユニリーバが英蘭企業であり、配当金額はユーロ建で決定されているからです。
ですので、ドルはもとより、ポンド建でも毎回変化があります。
ちなみに、ユニリーバB株(英国株)は外国源泉徴収税が0%ですので、日本株と同等の税負担で配当金が受け取れるのが特徴的です。

もちろん、NISAで購入すれば配当金にかかる税金が0%になります!
ユニリーバ(UL)の投資損益
株価・配当を確認しました、次は投資損益推移をみていきます。
ドル建の投資損益です。
上のグラフが金額で、下のグラフが%(パーセント)、青が累積配当受取金額、緑が売買損益、ピンクが評価損益、赤線がトータルリターンとなっています。
そして、円換算後の投資損益。

ULの投資損益グラフは配当金が特徴です。NISA枠で投資をしているため年率3%以上の配当金が無税です。投資損益の底あげに役だってくれています。

ユニリーバは新興国に強い!?
ユニリーバの強みは生活必需品の中でも新興国に強いことです。↓下は地域別の売上です。

なぜ、ユニリーバが新興国に強みを持っているかというとBOP戦略がヒットしたからです。
BOP(Base of Pyramid)とは年間世帯所得3,000ドル以下の層のことで主に新興国層を指します。従来はBOPは支援の対象とみられていましたが、市場と認識するものがBOP戦略です。
たとえば、ユニリーバのインドでの活動として、現地NPOと連携して衛生習慣の普及を目指しながらも、洗剤やシャンプーを1回あたりの小分けにすることや農村の女性たちを販売員として活用することで自社製品の利用に結びつけました。
ユニリーバBOP戦略の代表商品「ライフボーイ」

今後、新興国のBOP層は新中間層になっていきますから、いずれ大きな市場に化けることが期待されています。
ミスターマーケットのノイズでした。
参考サイト→『ユニリーバ(日本) ホームページ』