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株式投資は売買差益と配当利益に対して税金が発生します。
株式投資では利益に対して税金が発生します。
その利益はキャピタルゲイン(売買利益)と、インカムゲイン(配当利益)の2つの種類にわけられます。
日本株式の売却益は分離課税で20%
まず、日本株の売買益は分離課税で20%が発生します。そして、20%の内訳は所得税15%+住民税5%です。
日本株式の配当益は通常は分離課税で20%
日本株の配当益も通常は分離課税で20%です。そして、その20%の内訳は所得税15%+住民税5%です。
しかし、配当益に発生する20%の税金は確定申告をすることで取り戻せる可能性があります
日本株配当益の所得税は「分離課税15%」か「総合課税0%〜40%」を選択できる
通常の日本株の配当益に発生する所得税は15%の「分離課税」なのですが、確定申告をすると0〜40強%の「総合課税」を選択することができます。
通常の「分離課税」
通常、配当を受け取った際に所得税15%(+住民税5%)が源泉徴収されていますが、この課税方式は「分離課税」になっています。
分離課税というのは、給与所得などと分離して税金の計算するって意味です。
さきほど説明したとおり、確定申告しない限り、所得税は配当から15%を天引きされてそれで終わるわけです(住民税は別に5%とられる)。
下↓の図では赤枠①の部分が15%の分離課税に当てはまります。なにもしないと①の15%を納めることになります。
選択の「総合課税」
一方、「総合課税」は税率の0%から40%と、所得多ければ多いほど税金の負担が多くなる累進課税になっています。
総合課税の場合は配当所得と(給与所得など)他の所得を合算したうえで税率が決まる方式です。
何もしなければ分離課税で課税処理が終わるのですが、確定申告をすることで配当益に「総合課税」を適用することができます。
「総合課税」を選択することによって下↓の図の緑枠③の税率にすることができるのです。
そして、緑枠の「総合課税」は所得によって税率が違うのですが、緑枠の上4つ*までは分離課税・赤*の15%よりも税率が低くなっています。
つまり、上から4番目までの方は「総合課税」を選択したほうが有利になってきます。
そして、緑枠の上から4番目というのは課税総所得金額が695万円以下の場合が対象になります。
年収1,000万円以下は「総合課税」が有利!?
ずばり、ざっくりいいますと、日本株の場合は給与1,000万円ぐらいまでは「総合課税」を選んだほうがおそらく有利になると思います。(*税制は難しすぎるため「おそらく…思います。」で許してください)
それは課税所得695万円以下までは「総合課税」の税率が「分離課税15%」よりも低いためです。
そして、給与所得だけの場合は、年収1,000万円で課税所得が621万円程度となるためです。
ちなみに、今回は扶養家族はいない、保険料控除もなしの場合です。
確定申告を行い、総合課税を選択することで年収1,000万円以下の方は、課税所得695万円以下までは分離課税で徴収されていた15%よりも低い税率になり、差額が還付されることになります!
ちなみに、注意点として分離課税ではできていた「譲渡所得と配当所得の損益通算」が総合課税の場合はできなくなります(翌年に繰り越されます)。
日本株と米国株の違いは配当控除の適用
「米国株の税金まとめ」も読んでいただいた方は気づいたかもしれませんが、日本株と米国株では「総合課税」が有利になる年収が変わっています。
ミスターマーケットのざっくりした計算ですと、日本株は年収1,000万円以下、米国株は年収600万円以下が「総合課税」を選ぶと有利になることになっています。
この差は日本株は配当控除の適用がある、一方で米国株は配当控除の適用がないためです。
課税所得が1000万円以下の場合は配当控除が10%もありますので、かなり大きいインパクトになります!
日本株配当益の住民税は「分離課税5%」を選択すべし
そして、ここからがさらに大切になってきますが、もし、確定申告で「総合課税」を選択した方は、確定申告書の控えを市役所に持参して、申告不要の5%を適用する旨をアピールしてきてほしいと思います。
なぜなら、住民税は①通常の源泉徴収される5%のほうが、③「総合課税」の7.2%(または8.6%)の税率より低いからです。
確定申告で総合課税を選択した場合、その申告内容が税務署から市役所に行きます。
そのままでは住民税が所得税と同じ課税方式「総合課税」になってしまうため、安い税率5%にするにはその旨を伝えなければいけないのです。
つまり、新しい取り扱いになります。ですので、市役所も慣れていないらしく、ミスターマーケットが市役所にいった際は何回もなぜ申告不要にするのかなど確認されました。
難しい・・・と思ったら・・・
とりあえず、「日本株では年収1,000万円以下の場合は所得税の確定申告は総合課税で、住民税の申告は分離課税が有利かも」って頭にいれておくことをオススメします。
関連記事です。
参考リンク→証券税制早わかり 株式の税金
参考リンク→SMBC日興證券メールマガジン(PDF)
参考リンク→確定申告コーナー(国税局)
ミスターマーケットのノイズでした。
きれいにまとめていただきありがとうございます。あまり知られていないと思いますが、配当を確定申告すると分離課税でも所得税が還付される場合があります。
配当所得以外の所得がほとんどない場合、所得控除は分離課税にも適用されます。このため、他の所得がゼロの場合は分離課税で申告すると少なくとも基礎控除38万円の15%に相当する57000円が還付されます。専業主婦や国民年金だけが収入の人が該当します。
来年リタイアするので、税金がどうなるか国税庁のサイトで試算して気が付きました。なお、地方税がどうなるか調べていませんが、申告不要を届けないと所得総額が増えるので国民健康保険などに影響します。
コメント、有益な情報、ありがとうございます。
次回、更新する際に宮崎さんから
いただいた情報を確認して付け加えようと思います。
なかなか自分が当事者にならないとわからないことは
たくさんありますね。
今回も調べるまで、
株に関わる投資は20%と思い込んでいましたが、
調べだすといろいろと奥が深い(というか複雑しぎる)
と、びっくりしました。
今後もよろしくお願いします。
総合課税にすることで収入が合算されてしますので、専業主婦(主夫)やアルバイト・パートの人は年金3号から外れないように注意が必要ですね。
税金がちょこっと少なくなるよりも、年金3号の方がメリット大ですから。
クロスパールさん、補足ありがとうございます。
おっしゃる通り、
年金や健康保険は扶養から外れると半端ないですし、
収入によって料金が変わる制度があるので注意が必要ですね。
また飲めたら嬉しいです( ・`ー・´)