*2017年12月13日投稿。2018年5月19日リライト

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配当・無配当・自社株買い、投資家に1番いいのは?

まずは自分なりの答えを考えてみて欲しいと思います。
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はい。考えていただけましたでしょうか?
まずはミスターマーケットなりの結論を言うと

「その問いは間違えている」です。
ちょっと真面目に考えていただいた方がいましたら、ハメてしまって本当に申し訳ございません。
ですが、ミスターマーケットはあーいう議論をみるとそう思うんです。
企業の条件によって選択すべき株主還元策が変わる
というのも企業のおかれた状態によって選択すべき株主還元策が変わるからです。

配当と無配当はどちらが良い?
まず、企業経営者というのは資金を企業の外へ出すことを選択したくありません。
なぜなら、資金が多くあればあるほど自由でストレスなく経営ができるからです。
ところが、株主の立場から考えると企業経営者が企業に資金を置いておける条件は1つしかありません。
それは「今、株主に対して今1000円を配当するより、将来少なくとも1001円以上の配当を株主にだせる」という条件です。
そして、「少なくとも1001円」というのは、もし株主が1000円を使って1000円以上の利益を稼げるならばそれ以上というわけです。
(例えば株主が1000円を投資してある一定の期間に1200円を稼げるのなら、将来同じ期間で1201円以上の配当をだせる場合に限るというわけです)。
企業が投資に迷ったらとりあえず株主に現金をもどすべし

手持ちに資金があるから、あの機械を買おう、とか新規事業に進出してみようなんてことは考えてはダメなのです。
あの機械を買えば、いま株主に1000円の配当するよりも、もっと株主に資金を渡すことができる!とか、
自社の技術ノウハウを使ってあの事業に進出したら、いま株主に1000円の配当するよりも、もっともっと株主に資金を渡すことができる!!
そう考えて欲しいのです。
そして、少なくとも株主はそう考えて欲しいと思います。
逆に言えば、成長のために資金が必要であれば、「株主の皆さん、いまは成長に資金が必要ですので、無配当とします。将来必ず、いまお渡しできる果実よりも何倍も多くの成果を株主の皆さんにお渡しします」と言えばいいと思います(もちろん、嘘はだめですよ)。
配当が欲しい株主は去っていきますし、成長に期待する株主は残るでしょう。

では、配当と自社株買いどちらがよい?
では、「配当」と「自社株買い」はどのように考えればいいのでしょうか?
企業経営者はさきほどと同じように考えれば良いだけです。
自社株買いというのは自分の会社に投資することです。
つまり、自分の会社に投資することが株主に有利なら自社株買いをすればいいのです。
そして、株主のためになる自社株買いとは、自社の株価が非常に割安な値段をつけられているときに限ります。
1株あたりの価値が1000円のときに、株価が500円であったら自社株買いをすべきでしょう。
ですが、1株あたりの価値が1000円のときに、株価が1000円以上であれば見送るべきだと思います。
配当を出したうえで、投資家が割安と思えば投資家が買えばいいだけです。
さらに追加投資するか、しないかは投資家が判断すべき問題です。
経営者は投資家に有利でない限り、投資家が選択できる投資をわざわざすべきではないのです。
自社株買いのメリット
自社株買いの素晴らしい点は投資家にとって配当と違い税金が発生しないことです。
そして、企業にとっては自社の価値がわかるという点です(他社買収のときは他社の本当の価値はわかりません)。
自社の価値に対して株価が割安か、割高か、というのは経営陣がわかっているはずです。
(自分が経営する会社には甘くなってしまうと思いますが…)。
ですので、自社株買いは、企業(または経営陣)が自社の株価に納得していないサインとも読むことができます。

まとめ
ということで、まとめると以下のようになります。
- とりあえず、配当だしとけ。保身のために現金ためておくなんて言語道断(原則論)
- もし、成長に金を使いたいなら、絶対に将来にそれ以上のスーパーな配当をだせよ
- もし、むっちゃ自社の株が割安に放置されているなら自社株買いも可
こんな感じで考えとけばいいと思います。
企業が配当か、無配当か、自社株買いか、どれを選択するかで、経営者が株主の立場にたっているか or not かわかるのです。
ミスターマーケットの本日のノイズでした。
どうも、日米株投資家のミスターマーケットです。
株式投資の議論として「配当は税金が発生するから無配当が良い」「無配当だと企業が手持ちの資金を非効率な事業へ投資してしまう懸念があるため自社株買いが良い」などいろいろな意見があります。
そこで、今回はミスターマーケットなりの配当・無配当・自社株買いについての考えをまとめみます。