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サブスクリプションモデルとは?

サブスクリプションモデルを簡単にいうと「継続購入モデル」です。
例えば、Apple MusicやNetflixなど毎月定額で音楽や映画など見放題になるコンテンツ配信サービスがわかりやすいです。
一昔前は、CDやDVDなどを購入してコンテンツを鑑賞するのが当たり前でしたが、今では購入しなくてもコンテンツを鑑賞できるようになりました。
「所有から利用」へ軸が変化している。そんな時代にあったビジネスモデルです。


昔からあった「所有から利用」
ただ、「所有から利用」の考え方は昔からありました。
例えば、ミスターマーケットの投資先企業でいえば、キヤノンやシスメックスです。
キヤノンはプリンター販売時(顧客側からみれば所有)に加えて、印刷(利用)時にも稼げるようなビジネスモデルを構築しています。
比較的安価でプリンターを提供したうえで、印刷時にも使うトナーの販売先を確保して継続的に収益をあげるのです。
検査機器メーカ・シスメックスも検査機器はもちろん、検査時に使用する検査薬も販売して、継続的に稼げるビジネスモデルで業績を伸ばしています。

ネットがサブスクリプションモデルを可能とした
特定の業界や企業のみが可能だった従量制課金モデルですが、ネットの進化で変わります。
まずは、スマートフォンの登場が大きいです。ネットが身近になり、誰でも、どこでも使えるようになりました。
次に通信品質の向上です。通信品質の向上によって大容量のデータを即座にやりとりできることが可能になりクラウドサービスが登場しました。
クラウドサービスでは企業側は大きなサービスの箱1つをつくれば、多数の顧客にサービスを提供できますので、「規模の経済」が働きます。


サブスクリプションの消費者の利益
では、サブスクリプションモデルの消費者の利益とはなんでしょうか。
それは、①気軽に、②低価格でサービス提供を受けられることです。
例えば、僕が利用しているAmazon musicswは月額500円(プライム会員費)で100万曲以上が聴き放題になります。
CDを購入していたらそんな曲数を集めるわけにはいきませんし、一度購入してしまったら、気に入らなかったから返金してとはいえません。
サブスクリプションモデルではそれを可能とします。サービスを受ければ、すぐに何万曲を聴くこともできますし、いらないと思えば、来月からの支払いは発生しません。
これは先ほど示した「規模の経済」あってのメリットです。

特に音楽に詳しくないのですが、気軽に聞けるのもamazon music(サブスクリプション)の良いところです。
サブスクリプションの企業の利益
もちろん、企業側にも利益があります(投資家としても嬉しいですね)。
まずは「売り切りモデル」から脱却できることです。
売り切りモデルの場合、企業は次から次へと顧客に購入して貰う必要があります。新商品を消費者に買ってもらわなければ、売上が立たないからです。
新商品を3年後に出すのであればその間は収入がありませんから事業も不安定になります。
継続的に課金できるサブスクリプションモデルの場合は顧客がサービスを利用する限りは定期的に収入があります。
安定した収入になり、投資家としても収益や事業見通しが立ちやすくなり安心して長期保有できるようになります。
(投資家は安定したビジネスを好みますのでPERは高くなります)
次に、新規顧客の開拓が容易になります。先ほど、消費者の利益で示した通りに、サブスクリプションモデルは顧客の初期コストが非常に低く抑えることができます。それまで購入をためらっていた潜在的顧客を開拓できるようになることが期待できるのです。

顧客志向のサブスクリプション企業は強い
「企業は顧客志向であるべき。」
これは、当たり前のことのようですが、しかし、実際にはなかなか難しかったことです。
それは、従来のビジネスモデルでは、新しい商品に買い替えて貰わなければ、売上が立たなかったからです。
顧客に対して次から次へと新商品を購入してもらうために企業はいろいろな工夫をしてきました。
例えば、1つ昔の自社製品をワザと時代遅れにする計画的陳腐化(いわゆる都市伝説のソニータイマー)などのマーケティング手法です。
ただ、これは必ずしも顧客志向ではありません。顧客が購入したその商品は時代を遅れであることを演出するわけですから。
この問題をサブスクリプションモデルは解決します。サブスクリプションモデルでは企業の焦点は既存顧客のサービスの継続だからです。
既存顧客のサービスを継続してもらうには顧客に価値のあるもの、継続しても良いものと実感してもらう必要があります。
結果として、企業が既存顧客のサービス継続にエネルギーを投入することを可能になるのです。
先ほどの例でいえば、製品を陳腐化させるのではなく、ソフトウェアをアップデートすることにより長く使ってもらおうとする力が働くのです。
消費者により素晴らしいサービスを提供することが当たり前となります。

ミスターマーケットのノイズでした。
どうも、日米株投資家のミスターマーケットです。
ビジネスの世界で広まるサブスクリプションモデル。一時期苦境に陥っていたマイクロソフト(MSFT)の復活もビジネスモデルをクラウド・サブスクリブションへの転換が決め手でした。
今回はそのサブスクリプションモデルについてまとめていきます。