円高の謎=なぜ市場が混乱すると円高になるのか?

 

ミスターマーケット
リーマンショックで僕を苦しめたのは株安より円高でした。

 

 

海外投資家が怖い「円高」

 

米国株をはじめとして海外投資家が怖いのが「円高」です。大きく円高に振れた場合、海外資産は円換算にすると大きく毀損することになるからです。

 

【円高シミュレーション】もし1ドル80円になったらどうなる?【円高に備えた投資】

2019年4月13日

 

一般的な為替の考え方としてその国が強くなったら(将来が明るいばあいは)通貨が高く、その国が弱くなったら(将来が暗くなったら)通貨は安くなると考えているかたが多いと思います。

 

海外へ投資している多くのみなさんがそう考えているのではないでしょうか。そして、日本の将来の見通しが暗く円安も進むだろうだから海外へ投資している人も多いと思います。

 

 

円高の謎=なぜ市場が混乱すると円高になるのか?

 

しかし、ここ数年で「あれ?」という事態が発生したことが何回かありました。

 

例えば、北朝鮮の危機のときです。北朝鮮が核実験やミサイルをすると、「いよいよ戦争か?経済が混乱するかもしれない」と日本が緊迫したときになぜか円高になりました。

 

また東日本大震災のときもそうでした。東北から関東にかけて大きい地震が遅い、原子力発電事故も発生し、「日本終わり…?」と動揺したときになぜか急速な円高になりました

 

どちらの場合も日本が危機にも関わらず、円高になるのです。さきほど、紹介したその国が強くなったら円高に、弱くなったら円安にの反対の動きをしたのです。

 

 

円高の謎には3つの有力説がある

 

この日本がピンチになると円高になる「謎の円高」には以下の3つの要因があると言われています。

 

  1. 諸外国に比べて金利が極端に低いため、投機筋の資金調達に使われている
  2. 長期間で物価が下落しているため=通貨が高くなっているため
  3. 海外に多くの資産を持っているため

 

それぞれ説明していきます。

 

 

金利が極端に低いから

 

まず、「謎の円高」の要因は日本の金利が諸外国に比べて極端に低いからです。そのため、ヘッジファンドなどの投機筋が金利の安い日本円で資金を調達し、金利の高い外国通貨で運用すると言われています。それを行うことで金利と為替差益を狙っているのです。

 

ですが、市場の混乱の際にはそのヘッジファンドたちは安全の確保のために投機をやめ為替取引を手仕舞いすること、つまり調達した日本円を返済するために外国通貨を日本円に変えることが一気に行われるため、円高になりやすいと言われて言います。

 

 

物価が下落しているから

 

次の、「謎の円高」の要因は物価が下落しているからです。物価の下落とは、物が安くなることで、100円で購入していたものが90円で購入できるようになることです。これを逆に考えれば、通貨が強くなり、いままで100円で購入していたものが、90円で購入できるようになったと考えることもできるのです。

 

日本人は長いあいだ物価が下落している(通貨が強くなり続けている)ために、どこかで日本円=安心という気持ちが根付いているのです(海外投資家からみると不思議でしょうが)。ですので、市場が混乱して不安になったときは日本円にかえて安心を確保する行動にでると言われています。そのため、混乱時には円高になるのです。

 

 

海外資産を多く持っているから

 

最後の、「謎の円高」の要因は海外資産を多く保有しているからです。日本は大幅な貿易黒字・経常黒字が続いてきたため、海外資産を多く保有しています。「えっ?そんなに投資しているとは思えないけど?」と思うかもしれませんが、個人が直接に海外資産を持っていなくても、例えば、保険会社を通じて海外資産を持っていたり、企業が直接投資をしています。

 

日本有事の際は保険会社や企業が手持ちの資金を確保するために、海外資産にしていたものを日本円にかえて危機を乗り切ろうとするために、円高になりやすいと言われています。

 

この3つの要因が互いにからみあい、そして増幅させて「謎の円高」を発生させていると考えられています。

 

 

僕たちはどうすればいいのか?

 

では、僕たち海外投資家はどうすればいいのでしょうか?

 

ミスターマーケットが思うに、まずは急速に円高に振れる可能性があることを知っておくことが大切です。そして、いままで「なぜ日本が有事なのに円高になるんだ?おかしい!」という考えから「あっ、あの要因で急速な円高がすすんでいるんだな」と思うようにするのです。

 

3つの要因とも急速には円高になりますが、それがずっと続くものではありません。日本円で資金調達していたものの手仕舞いは資金調達の残高が減れば終わりますし、急速な変化によって人々不安をひろがったとしてもいずれ慣れてきます、そして、危機もいずれ平時になっていきます。

 

実際に起こっていることの要因さえわかれば、あとは対処するだけです。

 

もちろん、理想は安くなったら果敢に買い進め!と言いたいところですが、まずは狼狽売りを行わないことを目指しましょう。そして、安全を確認できたら、いつものように淡々と買い進めればいいと思うのです。

 

ミスターマーケットのノイズでした。

SPONSORED LINK

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

アバター

どうも!ミスターマーケットです。 Mr.マーケットは30代半ばの普通の会社員です。20歳から株式投資をはじめ、現在は日本株と米国株で配当を中心に長期投資を行なっています。よろしくお願いします。