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債券利回りが上昇すると、株式投資の魅力は減少する
最近、景気拡大が続くにつれて長期金利が上昇しています。下記は米国の長期金利(米国債10年)のチャート図です。
米国経済が順調なことから米国の中央銀行であるFRBは金利の引き上げ意向を示し、長期金利はついに3%を突破しました。
そのなかで、債券投資である程度の金利が貰えるなら、株式投資なんていらないのでは?という声がちらほら聞こえてきています。
確かに、長期金利が高まると、株式投資の魅力が減少します。株式投資よりローリスクな債券投資でも、ある程度の金利を受け取ることができますもんね。
例えば、ディフェンシブ株の代表銘柄のコカコーラ株の配当利回りは3.37%です(下記参照・2018年2月11日)。
仮にローリスクである米国債10年の利回りが3%だとすると、ディフェンシブ銘柄といえリスクのあるコカコーラ(配当利回り3.37%)よりも魅力的に感じるかもしれません。確かに魅力的です。
しかし、債券投資には株式投資にはないリスクがあります。それはインフレリスクです。
債券利回りが高くても、物価上昇がそれを打ち消す
インフレリスクとは物価上昇のリスクです。
インフレ(インフレーション)とは物価上昇の意で、債券投資の場合は債券利回りよりも物価上昇が大きければ実質的には資産は目減りしていることになります。
例えば、さきほどの米国国債10年(利回り3%)を持っていたとして、もし5%の物価上昇が発生した場合は差2%は実質的に損をしてしまいます。米国国債からもらえる利息よりも、物価が高くなるほうが大きいからです。
一般的な債券は、元本と金利、返済期限が決められていますので、債券購入後に物価が上昇した場合でも当初の金利が支払われ、さらに満期日には当初の元本が支払われます。
ですので、債券購入後に物価が上昇してしまうと損をしてしまうのです(*変動金利債券や物価連動国債もあります)。
もちろん、途中でその債券を売ろうとしても、物価上昇率よりも利回りが低い債券など、誰も欲しくありません。
ですので、それでも売ろうとすれば、そのときの金利にあわせて安く売らざるおえなくなります(満期まで持てば必ず名目上の利益はでますが、実質的には損をしているのです)。
株式投資はインフレに強い
一方で、株式投資はインフレには強い性質を持っています。なぜなら、企業はインフレを商品価格に転嫁できるからです。
もし、インフレによって製品やサービス提供に関わる原材料価格や賃金が上昇した場合は商品価格も上げればいいのです(ついでに利益分も…)。
それが企業の売り上げや利益を押し上げます。そして、まわりまわって配当の増加に波及してきます。
下は実際にミスターマーケットが米コカコーラ社から1株あたりの受取配当金(税引後)の推移です。
年々増加しています。この配当が増加していくのが債券投資との大きな違いになります。
きっと今後も増加していくでしょうし、高いインフレになると増加ペースはもっと高まるでしょう!
「債券利回り3%?もう株式投資いらないやんw」って考えは奥深い問題
ちなみに、ミスターマーケットはこの「債券利回り3%?もう株式投資いらないやんw」って考えは奥深い問題と思っています。
なぜなら、「物価は上昇していくもの」という感覚がないからです。
これは日本経済がずーーーーとデフレ(物価下落)が続いていて、頭の中にデフレマインドが染み付いているためです。
もちろん、デフレ時代に生きたミスターマーケットもいちいち意識しないとついつい物価上昇を無視する考え方になってしまうのが現状です。
最近、ミスターマーケットが投資でこの過ちを犯さないように利用できるのでは、と思っている魔法の言葉に「購買力」というものがあります。
購買力とは「物を買う力」です。購買力という言葉を使えば、いつの間にか、元本ではプラスでも実質的には目減りしているということを防げるのではないかと思っています。
ちなみに、バフェットは投資に関して下記のように購買力を使っています。
ちょっと難しいかもしれませんが、これを理解しなければインフレ時代の投資は乗り切れないかもしれません。
購買力という言葉を手に入れてうまくインフレ時代を生き抜いていきましょう!
ミスターマーケットの本日のノイズでした。
どうも、日米株投資家のミスターマーケットです。
今回は債券利回りが上昇するなかで、「株式投資って意味あるの?」という声がありましたので、ミスターマーケットなりの考えを紹介します。