
流動性リスクとは現金化できないリスク!

流動性リスクとは株式や債券などの金融商品を現金化しようとしたときに現金化ができないリスクです。
市場規模が小さい金融商品の場合、①現金化したいときに現金化できない、②現金化したい量にたいして買い手が少なく一部しか現金化できない、③買い手が少なく、大幅なディスカウント(割引)をしなければ現金化できないといったことが起こりすいです。それを流動性リスクと言います。
- 現金化したいときに現金化できない
- 一部しか現金化できない
- 大幅なディスカウントをしなければ現金化できない
特に市場の混乱時には買い手が少なくなるため、取引自体がストップしてしまうこともあります。
また、解約が制限されている金融商品も流動化リスクがあるといえます。
ちなみに、市場で取引される流動性リスクが高い金融商品は価格の値動きが軽いものが多いのが特徴です。価格があがるときはズンズンあがっていきます。
市場規模が小さいため、小さい資金で値動きが上下しやすいのです。リスクに対するリターンとも言えます。

流動化リスクの例その1「市場が止まるとき」
では、わかりやすくイメージするためにの流動性リスクが表面化した例をみてみましょう。
まずは市場がストップし流動性リスクが表面化した例として、2015年夏の中国株式市場があげられます(チャイナショック)。
2015年夏、中国株式市場に急激な株価下落が襲っていました。株安が社会不安を煽ると考えた中国政府は、利下げや空売り規制、信用取引の拡大、証券会社による株価下支えなど相次いで手を打ち株価下落を抑え込もうとします。そして、最後には1000銘柄以上が売買停止という手に売ってでます。
売買停止は株式の現金化が困難になる、つまり流動性リスクが表面化することを意味します。当局の思惑とは反対に、規制から逃れたい投資家はパニック的に現金化を急ぎ、中国株式市場は大幅下落するはめになりました。


流動化リスクの例その2「解約できない」
解約できないリスクも流動化リスクと言えます。
例えば、一時期盛り上がったソーシャルレンディングでは貸し倒れ(デフォルト)の可能性が発生する案件がチラホラでてきています。返済の遅延が起こっているのです。
その場合、投資家としてははやく現金化したい気持ちになりますが、ソーシャルレンディングに途中解約はありません。返済が終わるまで、現金化できないのです。

個人投資家が流動性リスクにどハマりしないために
いつもは見えないけど、起きると恐怖の流動性リスクに個人投資家がどハマりしたいためにはどうしたらいいのでしょうか?
ミスターマーケットが思うに、まずは生活資金を確保しておくことをオススメします。
流動性リスクは表面化したときは甚大な影響を及ぼしますが、おおむね市場の動揺は時とともに正常化していきます。
その正常化していくまでの生活資金があれば個人投資家にとって流動性リスクをやり過ごすことができます。ですので、やり過ごすための生活資金を確保することをオススメします。
次は分散投資をオススメします。
もし、新興市場やREIT市場、エマージングカントリーなど規模が小さい市場に投資する場合は、その比較的脆弱な市場が一時的マヒを起こしても資産を直撃しないように分散投資をオススメします。さきほどの生活資金もキャッシュへの分散投資と考えることができます。
最後に、ポートフォリオの中心には伝統的資産で構成することをオススメします。
伝統的資産とは株式や債券のことです。長い歴史がある資産ですので、思わぬ流動性リスクから守ってくれるはずです。もちろん、株や債券で構成される投資信託やETFもオススメです。
- 生活資金を確保しておく
- 分散投資を心がける
- ポートフォリオは伝統的資産で構成する
いつもは静かな流動性リスクですから、意識して注意することが必要です。
ミスターマーケットのノイズでした
どうも、日米株投資家のミスターマーケットです。
今回は普段は隠れているけど、姿を表すと大暴れする可能性がある流動性リスクについて考えてみます。