米国株の貸株は儲かる?SBI証券米国貸株サービス「カストック」を評価してみた

どうも、ミスターマーケットです。

 

今回はSBI証券の米国貸株サービス(愛称:カストック)について実際にサービスを受けた経験をもとに評価してみます。

 

ミスターマーケット
サービス提供前にはすごく期待した米国貸株サービスですが、実際はどうだったのか、さっそくみてみましょう!

 

 

そもそも、米国貸株サービス (愛称:カストック)とは?

 

SBI証券の米国貸株サービス(愛称:カストック)は2016年9月からはじまったサービスです。

 

米国貸株サービス(愛称:カストック)は投資家が保有している株式をSBI証券に貸し出すことで、SBI証券から貸株金利を受け取ることができます。SBI証券はその貸株をさらに貸株市場に提供します。

 

 

貸株は何に使われるの?
最終的に貸株は信用取引の空売りに使われます。空売りとは、持っていない株式を売り、将来買い戻すことで、株価が下落したときも売買益がでるようにする手法です。空売りする際に投資家は株式を保有していないため売却する株式を貸株市場で調達して売却するのです。

米国株の貸株サービスは国内でSBI証券だけの画期的なサービスです。米国株取引をSBI証券で行う一つの理由になるかと思います。ちなみに、SBI証券の宣伝文句は、

 

  1. 日本国内でSBI証券だけ!
  2. 貸株中でも配当がもらえる
  3. 自動で貸し出し!
  4. いつでも売却可能

 

です。

 

*ちなみに、NISA口座で保有している株式は貸株サービスの適用を受けることはできません。

 

ミスターマーケット
米国株の貸株サービスは素晴らしいサービスだと思います。ただし、メリットとデメリットがあります

 

 

米国貸株のメリットとデメリット

 

 メリット

 

米国貸株サービスのメリットはもちろん、貸株金利が受け取れることです。

 

保有している株式を貸し出すだけでお金がもらえるのです。株式の利益は売買利益と配当利益の2つだけですが、貸株サービスを利用することで貸株金利も受け取れるようになります!

 

もちろん、貸出中も配当金など株式本来の利益は受け取ることができます。

 

 

デメリット

 

米国貸株サービスのデメリットは信用リスク(SBI証券や貸出先の倒産リスク)があります。

 

米国貸株サービスは投資家はSBI証券に株式を無担保で貸借する契約になるため、SBI証券が倒産した場合などの信用リスクを負うことになります。また投資者保護基金の対象ともならないことも留意すべきです。

 

そして、貸株の配当金は原則「配当金」として受け取れるのですが、「配当金」として支払えない場合は「配当金相当額」として受け取る場合もあります。

 

「配当金」と「配当金相当額」の違い
「配当金」と「配当金相当額」の違いは税金の計算をするときに関係します。「配当金」は配当所得として、株式等の損益通算の対象になり、外国税控除の対象にもなります。一方で、「配当金相当額」は雑所得となり、総合課税の対象となります。また、損益通算の対象や外国税控除の適用にはなりません。ちなみに会社員で年末調整にて税金の処理を終わらせる場合で雑所得20万円以下の場合は所得税の確定申告は行う必要はありません。

 

 

気になる貸株金利は…?

 

さて、ここからが本題です。

 

メリットとして「お金を受け取れる」で気になるのが、「なんぼ(いくら)貰えるか」です。そして、そのもととなる貸株金利です。では調べてみましょう。

 

とはいっても、下↓のような貸株金利一覧をブログに載せるわけにもいきませんので、集計しますね。

 

米国貸株サービス「カストック」金利の分布

 

金利の分布です。

米国貸株サービス「カストック」金利の分布グラフ

 

米国貸株サービス「カストック」金利の分布

 

 

な、なんと、貸株対象外も含めると、85%が貸株金利0.01%以下という結果になりました。

 

0.01%といえば、例えば、100万円を1年間貸出したとして…(計算機ポチポチ)、年100円です。

 

ミスターマーケット
100万円を1年間貸して100円だとぉ…。

 

 

実際の銘柄を見てみよう!

 

金利の分布でみると、すごくヤバい結果でした。ですが、実際、持っている株式の貸出金利が高ければいいわけです。きっとネット証券No1のSBI証券さんのことですからみんな持っている株式はきっと高い貸出金利が設定されているはずです!

 

そこで、SBI証券の米国株・米国ETFの保有残高TOP10の貸出金利を調べてみました。

 

まずは米国株TOP10を見てみましょう!

 

 

ハイテク株が上位に並んでいます。さぁ、これの貸出金利は…

 

 

すべて0.01%です。わろた。

 

次は米国ETFの保有残高TOP10をみてみましょう。

 

 

ミスターマーケットが保有しているPFFもランクインされています。。さぁ、これの貸出金利は…

 

 

ミスターマーケット
( 言葉がでない… )

 

ちなみに一覧を金利の高い順から並べてみると…

 

 

意外と海外株ETFが入っていることがわかります。海外ETF投資家にとってはSBI証券米国貸株サービス「カストック」はかなりの隠れ収入源かもしれません。

 

 

ミスターマーケットの実際はどうだった…(2016/10〜2017/10)?

 

では、ミスターマーケットが実際行っていた2016年10月から2017年10月までの米国貸株サービスはどうだったのかみてみましょう。

 

ミスターマーケット
なお、あまりにも金利が小さかったため、現在は利用を停止しています。

 

金利と利息

 

まずは金利と利息です。2017/10/15の1日の銘柄別の貸出金利と利息です。

 

 

貸出金利は全て0.001%・そして合計1日当たり利息は0.0123$(約1円)となっています。

 

2016/10〜2017/10の貸株利息金額

 

次は2016/10〜2017/10の12ヶ月で受け取った貸株利息です。

 

 

1年間(12ヶ月)の合計利息が6.76$でした。残念。

 

 

米国株貸株サービスの評価

 

さて、長々とSBI証券の米国株貸株サービスの実際と1年間の結果をみてきましたが、ちょっと期待はずれでしたね。正直、米国株貸株サービスのサービス開始のアナウンスがあったときはかなり皮算用してしまいました。

 

なぜなら、SBI証券の日本株の貸株サービスの場合は最低貸株金利が0.1%であったため、金利水準が高い米国株は貸株金利がもう少し高くなるかなっと期待していたからです。実際は全く違いましたね。

 

この1年間は株式市場が好調であったため、空売りが低調で、貸株市場の需給が逼迫していなかったということもあるとは思いますが、いやいや残念な結果です。SBI証券は米国株貸株サービスを自社の米国株取引の「ウリ」にしていますが、当分のあいだは他証券を利用している方にとってもそれほど魅力的ではないと思います。

 

米国株貸株サービスはSBI証券しか提供していないため、競争が働いていないということも原因一つかと思います。楽天証券・マネックス証券さんも気合をいれて頑張って下さい(特にマネックス証券は現地証券会社を保有していることからモットガンバレヨ!)。

 

 

ミスターマーケット

結論:カストック(SBI証券の米国貸株サービスの愛称)はカス!

 

*SBI証券の米国株貸株サービスがいろいろな人たちが汗をかいて国内最初に導入した点はもちろん素晴らしいことと評価します。しかし、このブログにとって大切なのは読者である一般の投資家にとって「どうか?」という点です。その点では評価はまだまだということです。今後に期待します。SBI証券さん頑張れ!

 

 

ミスターマーケットのノイズでした。

 

参考リンク→「SBI証券日本株の貸株サービスはこちら

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2 件のコメント

  • こんにちは。

    米国株ブロガーの、たぱぞうと申します。この貸株サービスは悪くないのですが、数千万規模の投資額にならないとメリットが薄いかもしれないですね。仰る通り金利が低いからです。私の場合だと、差が激しいですが、10ドルから50ドルぐらいの入金があり、「まあまあかな」という印象です。

    コツコツ貯めて、コツコツ増やす。共にがんばりましょう!

    • こんにちは。はじめまして。

      米国貸株は劇的サービスで、私もサービス開始前はすごく期待しました。
      (日本株は最低金利が0.1%でしたので、米国株も…「ぐふふ」と思いました。)

      現在は期待はずれですが、たぱぞうさんがおっしゃるとおり、
      預けるだけで利息がもらえるというのは素晴らしいと思います。

      空売りが活発になる市場になると貸株金利があがるのかなとも思いますが、
      今後の期待も含めて記事にさせてもらいました。

      たぱぞうさんのブログでPFFを知り、投資させてもらいました。
      その度は、ありがとうございました。

      今後ともよろしくお願いします。

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    どうも!ミスターマーケットです。 Mr.マーケットは30代半ばの普通の会社員です。20歳から株式投資をはじめ、現在は日本株と米国株で配当を中心に長期投資を行なっています。よろしくお願いします。