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コングロマリットとは?
コングリマリットとは多くの異なる業種を抱える複合企業のことを意味します。
さまざまな業種を抱えるため特定の業種の景況に左右されにくい利点があります。
一方で、企業の事業が複雑になり、全体像を見えにくくなります。
なぜコングリマリットは嫌われるのか?
コングリマリットが市場から嫌われる理由は、経営が非効率になると思われているからです。
それは、企業などの組織は目的を絞り込めばこむほど、その目的のために特化でき、攻略しやすいとのビジネス思想があります。
多角化されたコングリマリットでは看板部門で稼いだ利益が低収益部門の延命のために使われたり、専門の人材が育たないなどの弊害、経営陣がコントロールできないことが懸念されているのです。
市場は特定の業種をピンポイントに攻める企業を好む傾向にあります。
わざわざ企業自体が多角化する理由はあまりありません。
企業価値の判断が難しくなる
また、企業価値の判断が難しくなるのもコングリマリットディスカウントの大きな原因です。
さまざまな業種が混在する複合企業を正確に判断するのは難しいです。
企業価値は同業他社との比較で決定されることもあり、事業ごとに様々な企業と比較しなければいけません。評価の項目が増え、精度が鈍ります。
その結果、投資が手控えれて評価が下がることになるのです。
日本株のコングリディスカウント企業と言えばソフバングループ
日本株でコングリマリットディスカウントされていると言われているのがソフトバンクグループです。
下↓の資料はソフバンGのIR資料です。
ソフトバンクグループの保有する上場企業株の価値は1株当たり23,153円分(①)あり、純有利子負債(1株当たり8,954円(②))を差し引いても、1株当たり14,199円の企業価値があると会社は主張しています。
しかし、現実に市場が評価している企業価値は2018/2/5現在1株8416円です。
多角化によって延命された企業もある
少しdisりが多くなってしまった企業の多角化ですが、多角化によって生き残った企業もあります。
例えば、日本では紡績などの企業が、本業から自動車や炭素繊維などへ変化して生き残っています。
企業が存続したことで救われた社員や地域もあるでしょう。悪いことばかりではありません。
米国では業種の衰退とともに姿を消す企業が多く、役割を終えた企業は消えても構わないという空気があるような気がします。
これも社会構造や文化の違いなのかもしれません。
ミスターマーケットのノイズでした。